【愛着障害タイプ別診断】愛着スタイル4種類の特徴を解説

毒親

愛着障害とは?

愛着障害とは「乳幼児期~幼少期に主要な養育者との関わり方に何らかの問題があり、それによって安定した愛着(愛着を深める行動)が形成されず、子どもの情緒や対人関係に問題が生じている状態」のことを言います。

愛着障害が子供に及ぼす悪影響「大人になって現れる症状とは?」

愛着に障害があると、うつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、不安障害、パニック障害、社交不安障害、睡眠障害、摂食障害、依存症、仕事中毒(ワーカホリック)、引きこもり、精神不安定、疲労感、倦怠感、頭痛、吐き気、ネガティブ思考、不安や恐れ、自信がない、自己評価が低い、自己嫌悪、自意識過剰、無価値感、無力感、感情の喪失、無実の罪悪感、過剰で不必要な責任感、完璧主義、人間不信、人間関係のトラブルや破綻、離婚、孤独、自己破壊的行為、非行など、様々な形で問題が表れ、生きづらさを抱えて生きていくことになってしまいます。

それぞれの症状に対処しているのに全く改善しないという人は、根本の原因が愛着障害であり、愛着障害によって様々な症状が引き起こされていると考えられます。

ですから、そういう人は根本の原因である愛着障害を克服することで症状が改善するので、症状に対処しているのに全く改善しないという人は愛着障害である可能性も考え、自分が愛着障害ではないかチェックしてみましょう。

生きづらさの原因は愛着障害?愛着障害になる仕組み(メカニズム)を解説

親子の間での対人関係というのは全ての対人関係と安心感の基本(ベース)を作ります。

ですので、親子の間で不安定な愛着しか育めなかった人は常に不安感を抱え、自己肯定感が低くて傷つきやすく、そのため、ストレスにも過敏になり、対人関係や社会に適応することが上手くいかず、それによって引き起こされる様々な症状によって、生きづらさを抱えて生きていくことになってしまいます。

一般的には乳幼児期~幼少期までの主要な養育者との関わり方によって、愛着障害が引き起こされるわけですが、毒親育ち(アダルトチルドレン)の場合は乳幼児期~幼少期は、もちろんのこと、それ以降の時期も長期間に渡って親からの暴力(言葉の暴力を含む)や育児放棄(ネグレクト)などを受けていることが多く、一般的な愛着障害よりも、より影響が大きいと言えます。

逆に愛着が安定している人は常に精神が安定していて自己肯定感が高く、人生で困難な状況に陥った時でも何かあれば、すぐに人に助けを求めることができ、困難をはね除け、幸福や安定した生活を手に入れやすく、生きづらさを抱えることは、ほとんどありません。

このように乳幼児期~幼少期に主要な養育者から安定した愛着を得られたかどうかで、その後が大きく変わってしまうわけですが、乳幼児期~幼少期までの主要な養育者との関わり方によって、愛着スタイルという対人関係の基本(ベース)のパターンが決まり、その愛着スタイルは乳幼児期~幼少期に形成され、大人になっても継続されることが多いのが現実ですが、たとえ乳幼児期~幼少期に主要な養育者から安定した愛着(愛着を深める行動)を得られなかったとしても愛着の安定化を図り、安心感を高めることによって自己肯定感を高め、傷つきやすさを改善し、それによってストレスを軽減し、対人関係や社会適応などの生きづらさを改善していくことは可能です。

そのためには、まず自分の愛着スタイルを知り、それによって生きづらさの原因となる様々な問題が引き起こされているのだということを理解することが何より重要なことです。

そこで愛着障害の4つの愛着スタイルの特徴をまとめてみましたので、自分の愛着スタイルがどのタイプの愛着スタイルなのかチェックしてみて下さい。

愛着スタイル4タイプの特徴を解説

愛着スタイルは「安定型」「不安型」「回避型」「恐れ・回避型(不安型+回避型)」の4つのタイプに分類されます。

安定型

安定型は「乳幼児期~幼少期に主要な養育者から適切な愛情を受けて育ち、常に精神が安定していて困ったことがあったら、すぐに人に助けを求めることができ、対人関係や社会適応での困難が少ないタイプ」の人です。

安定型の主な特徴は以下の通りです。

安定型の特徴

・精神が常に安定している。(気分や態度が常に安定していて穏やかである。)

・自己肯定感が高く、自分に自信があり、自己主張することができる。

・誰に対しても対等に接し、見下したような態度を取ったり、一方的な決めつけや押し付けをしてこないが、必要な時には言いづらいことでも言える。

・相手の問題を自分に関連付けたりせず、自分の問題と相手の問題を分けて考えることができる。(明らかに相手に非があり、自分が何も悪くないことでも、自分が何か悪いことをしてしまったのではないかと考えたりせず、相手に問題があると考えることができる。)

・何か問題が起こった時には過剰に反応したりせずに物事をしっかりと受け止め、事実を客観的に見て起こった問題に対して冷静に対処することができる。

・人に対しての安心感や信頼感があり、何か困ったことがある時には、すぐに助けを求めることができる。

・ストレス状況に耐性が強く、対人関係や社会適応での困難が少ない。

不安型

不安型は「乳幼児期~幼少期に主要な養育者の不安定な育て方から見捨てられる(拒絶される)不安が強く、見捨てられ(拒絶され)ないように過剰に人の顔色を気にして、人に気に入られるために献身的に尽くしたり、認められるために過剰に頑張ったり、自分にも相手にも求めすぎたりするあまり、対人関係や社会適応で問題を抱えてしまうタイプ」の人です。

不安型の主な特徴は以下の通りです。

不安型の特徴

・精神が不安定である。(心が安定せずに感情の起伏が激しく、情緒が不安定である。)

・自己肯定感が低くて自分に自信がなく、人の言動に依存し、いつも人の言動に左右されてしまう。

・些細なことでも自分で判断したり、決断したりすることが苦手で、自分一人では判断したり、決断したりすることができない。

・人に見捨てられる(拒絶される)不安が強く、過剰に人の顔色を気にして行動する。(人に見捨てられる(拒絶される)不安から相手に認められようとして献身的に尽くし、相手に過剰な愛情や承認を求めてしまう。)

・人に気に入られるために完璧でありたいという思いが強く、それが1つでも上手くいかなくなると何もかもがダメになったように思い込んでしまう。(完璧主義で少しのミスも許せず、自分を責めてしまう。)

・承認欲求が強く、自分にも相手にも求めすぎてしまう。

・明らかに相手に非があり、自分が何も悪くないことでも、自分が何か悪いことをしてしまったのではないかと、何でも自分に関連付けて考えてしまう。(自分が何も悪くなくても自分に責任があるように感じて、あらゆることの責任を引き受けようとしてしまう。)

・傷つきやすく、傷つけられたことを引きずってしまう。

・人に対しての安心感や信頼感がなく、物事を絶えず悪い方に考えてしまう。

・何か問題が起こった時には過剰に反応して、すぐに不安に飲み込まれてしまい、感情のコントロールが利かなくなり、感情的に過剰反応してしまい、かえって事態を悪化させてしまう。

・ストレス状況に耐性が弱く、対人関係や社会適応での困難が多い。

回避型

回避型は「乳幼児期~幼少期に主要な養育者の育児放棄(ネグレクト)などによって情緒的やりとりなしに育ち、その結果、情緒的なつながりを必要としなくなり、人と情緒的に関わるのを避け、困ったことがあっても人に助けを求めるという発想自体がなく、対人関係や社会適応で問題を抱えてしまうタイプ」の人です。

回避型の主な特徴は以下の通りです。

回避型の特徴

・感情的なことに煩わされることを嫌がり、人との情緒的なつながりを避ける。(情緒的な関り方を自分もしないし、相手からされるのも嫌がる。)

・相手を見下したり、傲慢な態度を取ったり、無関心な態度を取ったりして相手を寄せつけないようにする。

・相手が役に立つかどうか、利用できるかどうかで品定めし、利害関係以外の人とのつながりを求めようとしない。(自分にとって利用価値がある時だけ相手に関心を持ち、利用価値がなくなると関心を失い、あっさりと切り捨ててしまう。)

・相手に命令して自分の思い通りに従わせたり、自分の好みの通りに相手を作り上げたり、相手を物のように扱い、所有し、支配する。(相手のことを大切にしようとしない。)

・人を信用していないので、どんなに親しくなっても上辺の関係にしかならず、本当の信頼関係を築くのが難しい。

・自分の気持ちや本音、過去の体験や思い出など、自分に関することは語りたがらない。(自己開示を避けようとする。)

・自分の気持ちや本音を抑えつけて育ってきたので、自分の本当の気持ちが自分でもよくわからない。

・共感されたり、励まされたり、慰められたりすることよりも有益な情報や知識、経験や方法を教えてもらった方が自分のためになったと感じる。

・人に甘えず、自力で生きていこうとし、人に助けを求めるという発想自体がない。(自分の弱みを見せたり、自分をさらけ出したりすることができず、誰の助けも必要としないというように振る舞ってしまう。)

・何か問題が起こった時には起きている問題自体から目を背け、見て見ぬフリをしてやり過ごす。(問題に向き合うのが苦手で面倒なことは、なるべく避けようとする。)

恐れ・回避型(不安型+回避型)

恐れ・回避型は「不安型と回避型が複合しているタイプで、回避型と違って人との情緒的なつながりを求めてはいるものの、見捨てられる(拒絶される)不安が強く、見捨てられ(拒絶され)たり、傷つけられたりすることを恐れ、親しくなりたくても容易に近付くことができず、親しくなって相手に心を開くまでには高いハードルがあるため、対人関係や社会適応で問題を抱えてしまうタイプ」の人です。

恐れ・回避型の主な特徴は以下の通りです。

恐れ・回避型(不安型+回避型)の特徴

・対人関係での不安が強く、人と関わる時には、いつも緊張してしまう。

・傷つきやすく、人に見捨てられる(拒絶される)不安が強いため、親しくなりたい気持ちはあっても容易に近付くことができない。

・人と関わると傷つけられたりするかもしれないという不安や恐怖から人と距離を取ってしまうため、親しくなるまでに時間がかかる。

・警戒心が強く、人を信用するまでには高いハードルがあり、心を開いて人と親しくなるまでには時間はかかるが、相手が自分のことを受け入れてくれるとわかれば心を開くことができ、親密な関係を築くことができる。

・傷つくのを恐れ、人と距離を取ることで自分の安全を守ろうとする。(何か問題が起こった時には自分の殻に閉じこもり、引きこもって外の世界との接触を断つことで自分の安全を守ろうとする。)

ここで自分の愛着スタイルに気付き、それによって生きづらさの原因となる様々な問題が引き起こされているのだということを理解することが、愛着障害を克服するための第一歩となります。

ますは自分の愛着スタイルに気付き、生きづらさの原因となっている自分の愛着スタイルの特徴を理解することから始めていきましょう。

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