安全基地を作り、不安定な愛着スタイルを変え、愛着障害を克服する方法

毒親

安全基地とは?

安全基地とは「発達心理学者のメアリー・エインスワースが提唱した「人間の愛着行動」に関する概念で、主要な養育者が子どもにとっての心の拠り所(安心感の拠り所)として機能していると子どもは安心して外の世界に好奇心を持ち、外の世界で、興味を持ったことに挑戦することができるようになり、外の世界で、傷ついたり、疲れたり、不安を感じたり、危険が迫れば、心の拠り所(安心感の拠り所)となる主要な養育者の元へ逃げ込み、傷を癒し、心身を休ませ、不安や危険が去れば、また外の世界での活動に戻るというように子どもに何かあった時には、いつでも逃げ込めることができる避難場所=心の拠り所(安心感の拠り所)」のことです。

こうして主要な養育者が子どもにとっての安全基地になることによって安定した愛着(愛着を深める行動)が形成され、危険や困難を乗り越えていくことができるようになるのです。

乳幼児期~幼少期に主要な養育者との関わり方に何らかの問題があり、主要な養育者が安全基地として機能していなかったことによって安定した愛着(愛着を深める行動)が形成されず、愛着スタイルが不安型、回避型、恐れ・回避型(不安型+回避型)になってしまった愛着障害の克服には安全基地を作ることが必要になります。

安全基地を作る(安全基地となってくれる人を探す)

不安定な愛着スタイルを変えていくには自分にとっての安全基地を作ることが必要です。

そのためには安全基地となってくれる人を探さなければなりませんが、安全基地となれるのは愛着スタイルが安定型であることが条件となります。

これまで身近な友人、恋人、配偶者(夫、妻)のことをこの人は、安定型、不安型、回避型、恐れ・回避型(不安型+回避型)と愛着スタイルがどのタイプかという目線で見ていなかったと思いますが、まずは身近な友人、恋人、配偶者(夫、妻)の中から安定型の人がいないか探してみましょう。

そこで安定型の人が見つかれば、その人に安全基地になってもらい、いなければ新しく安定型の人を探すしかありません。

ただ、そう簡単に見つかるものでもないので、まずは安全基地として精神科医や専門のカウンセラーに臨時の安全基地になってもらいましょう。

精神科医や専門のカウンセラーと言っても全ての人が安定型であるわけではないですし、相性というものもありますので、大変ではありますが、安定型で相性のいい精神科医や専門のカウンセラーと実際に会ってみて、自分に合った精神科医や専門のカウンセラーを選ぶようにしましょう。

臨時の安全基地で不安定な愛着スタイルを変え、自分の本当の居場所(安全基地)を作る

精神科医や専門のカウンセラーに臨時の安全基地になってもらい、不安定な愛着を改善していくことができたら臨時ではない自分の本当の居場所(安全基地)を作る必要があります。

たとえ臨時でも安全基地ができると愛着が安定することによって、安全基地として機能していなかった家族との関係が改善することもありますし、精神科医や専門のカウンセラーが家族に安全基地になるように働きかけ、指導することによって改善することもありますが、毒親の場合は存在自体が危険地帯であるため、毒親に改善を求めるのは難しいのが現実です。

そうなると、やはり家族以外に自分の本当の居場所(安全基地)を作る必要があります。

それは、友人、恋人、配偶者(夫、妻)など、誰でもいいので、自分の本当の居場所(安全基地)となってくれる人を精神科医や専門のカウンセラーが臨時の安全基地となってくれている間に見つけるのが良いでしょう。

主要な養育者が安定型の子どもは安定型に育ちやすく、逆に主要な養育者もまた不安定な愛着の持ち主であった場合は、子どもも不安定な愛着スタイルに育ちやすく、毒親が連鎖するように愛着スタイルもまた世代間で連鎖してしまうわけですが、衝動強迫的な反復行為(無意識のうちにつらく苦しい過去の体験を反復して、やり直そうとする行為)により子ども時代の慣れ親しんだ世界に無意識のうちに戻って、今度こそ上手くやれるに違いないと思って、自分の親と同じような不安定な愛着スタイルの人をパートナーに選んでしまうことは、よくあります。

そういう人こそ相手を愛着スタイルで見て、安定型の人を選んで付き合うようにしてみて下さい。

最初は安定型の人に慣れないかもしれませんが、安定型の人と接しているうちに不安定な愛着が改善していきます。

愛着障害や毒親育ち(アダルトチルドレン)の中には安定型のパートナーを得たことによって愛着障害や毒親育ち(アダルトチルドレン)を克服した人も数多くいますので、自分の本当の居場所(安全基地)となるような安定型の人を探してみて下さい。

安全基地になるための条件(安全基地となってくれる人を見極めるためのポイント)

安全基地となってくれる人を探す上で、安全基地になるための条件として見極めるためのポイントをまとめてみました。

安全基地になるための条件(安全基地となってくれる人を見極めるためのポイント)は以下の通りです。

・気分や態度が常に安定していて穏やかである。(一緒にいて居心地が良く、安心感があり、接していて恐怖や危険を感じない。)

・自分の意見や本音を言っても批判や評価などをしない。(委縮しないで自分のことを話すことができる。)

・いつも対等に接し、見下したような態度を取ったり、一方的な決めつけや押し付けをしてこない。

・周囲の人達を傷つけず、自分も傷つかないような関り方をし、周囲の人達と、いい信頼関係を築いている。(人間関係が上手くいっている。)

・求めたら、すぐに応えてくれる。(反応が早くてマメである。)

・自分の気持ちや意図をちゃんと汲み取って求めていることに応えてくれる。(求められてもいないのに、すぐに、口出ししたり、持論を述べたり、余計なことをしたりしない。)

・共感力が高く、気持ちに寄り添い、自分の意見や気持ちを尊重してくれる。

・普段は本人の主体性や自由を尊重して余計な干渉をしないで見守り、何か問題が起こった時には、すぐに助けてくれる。(助けを求めた時には、すぐに手を差し伸べてくれる。)

・何か問題が起こった時に相手の感情に巻き込まれることなく、常に冷静に対処することができる。

・ありのままの自分を受け入れてくれる。

安全基地となってくれる人を探す上での参考にしてみて下さい。

自分の本当の居場所(安全基地)を作る時の注意点

乳幼児期~幼少期に主要な養育者との関わり方に何らかの問題があり、それによって安定した愛着(愛着を深める行動)が形成されず、不安定な愛着スタイルを身につけてしまった人は、これまでに何度も裏切られた経験があり、安全基地となってくれる人が見つかっても人を信じることに不安や恐怖を感じて、自分のことを正直に話すことを躊躇してしまうこともあると思いますが、これまで人を信じることができなかったのは信じる人を間違えていたり、関わり方を間違えていたりしていためなので、安全基地となってくれる人が見つかったら勇気を出して、その人を信じて自分のことを正直に話すようにして下さい。

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